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2013年11月12日 | Posted in 靴制作/靴デザイン | Tags:
革工芸:靴 11月6日(11回目)
革工芸:靴 11月6日(11回目)
今日はDECOLLTEの3種類目、シャネルタイプ(APERTO DIETRO)の底を処理していきます。
革(tomaia)と中底(soletta)を靴の土踏まずあたりで数本の釘で留めておき、革の内側につま先芯(puntale)を貼付けます。つま先芯は火で炙り、引っぱりながら形を整えて植物性ののり(scalioglina)で貼付けます。不要な部分は切り取り、奇麗に処理します。
つま先のつりこみ部分にはのり(masticeという天然樹脂)をつけておきます。
先に留めておいた土踏まず部分から続けるように、つま先部分もぐるりと釘で留めていきます。こんなに沢山釘を使って仮留めするとは驚きました!
中底全体の淵に釘の先1/4だけ打ち込み、その後、外に出ている部分をハンマーで内側に折り曲げます。この際、革を内側に引き込むように釘を打ち曲げていきます。2時間程待つと、革が後戻りせず、きちんとのり付けされた状態になります。
淵に沿って、ぐるりと釘の約1/4だけ打ち込む。
その後、内側に向かって釘を曲げ打つ。
仮留だった釘を全てペンチで引き抜き、皺になっている部分、不要な部分を取り除き。靴底(suola)とヒール(tacco)を付ける準備をします。
masticeが乾いて固定されたら、釘をペンチで引き抜きます。
ヒールには、ヒール全てを革で覆ったものと、ヒールの3面のみ(側面と後方)を覆ったものの2種類があります。 このヒールを全て革で覆ったタイプはtacco a conoという方法で靴底を接着、ヒールを3面のみ覆ったタイプはtacco a codaという方法で、靴底を接着します。
tacco a cono
tacco a coda
tacco a conoに使う靴底はsalpaを切って作ります。だいたいの靴底のラインに合わせて切り、ヒールと中底に挟み込む部分や、淵の部分は革用ナイフ(trincetto)で薄く削ぎ処理します。
Tacco a codaは挟み込まず、靴底がヒール部分まで繋がった状態で貼付けます。
tacco a cono用の靴底をつくっています、
アシスタントから手ほどきを受けたり、学生同士で教え合ったりする光景も見られ、割と難しい作業でも和気あいあいとした雰囲気で作業が進んでいて、楽しそうです。
アシスタントさんからアドバイス。
学生同士でも助け合いながら作業しています。
イタリアで学ぶアート、デザイン留学 アカデミアリアチ