Accademia Riaci
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5月. 31, 2019 | Posted in 未分類 , | Tags:, Reporter: | Course: Painting and Drawing

Painting-Drawing 21-Master Course 2018 (Student2)

授業1 Pittura
Gentile da Fabriano, “Adorazione dei Magi”の部分模写と男性モデルのデッサン。

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先週はSpolveroでの下絵転写をやめて、別の方法を考えるところで終わった。下絵をコピーしたものの裏に鉛筆で塗りつぶして転写する方法をとることにした。

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しかし、授業に行くと、男性モデルのデッサンを行っていた。外国人の男性モデルを描く機会は日本ではなかなかないので、転写は一旦休憩して、人物クロッキー、デッサンを行うことにした。最初転写の作業もしていたので、全ポーズは行わなかったが、4枚のクロッキーを褐色の鉛筆で行った。大体20分から40分でポーズが変更。新鮮で楽しかった。

授業2 Restauro
【Reliquiariの金箔作品の修復】

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今週は先週に引き続き、聖遺物箱[Reliquiari]の修復。先週の”Livellare”という欠けている部分をStuccoで埋めたところをヤスリやメスで自然に均す作業。これの続きを行い、次に薄く魚膠 (1:25)で溶いたBolo Gialloをはじめの一層目に塗る。オリジナルのBoloがどのような色かを確認して、同じような色、表に響かない色を調合して作る。Boloは湯煎しながら溶き、濃度は紙などに試し書きを行い、先生の作ったものを見て、試して、感覚と体験で覚える。さすが伝統技法。Boloは金箔を引っ付ける接着の役割を持つ粘土組成のもの。3層以上は塗る。一層塗っては乾かし、次の層を塗る。一気に塗ろうとすると剥がれたり、乗らなかったりするので注意が必要。

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その後、Doraturaに入る。魚膠(1:25)を水の中に少量と数滴のエチルアルコールを入れて、Boloの上に置く膠水を作る。これは本金が偽金か銀かで濃度も異なってくる。この膠水を置いたらすぐに箔を貼らなくてはならないので、事前に箔は箔板の上で適度なサイズにカットしておく。このサイズも経験値。箔を置いて水が引いたら、コットンでなじませる。本金箔の場合夏は1.5~2時間、冬は3時間程度置いてから、瑪瑙棒で“Brunire”とういう磨きの作業に入る。今週は上層部の一部分だけしかできなかった。待ち時間や磨きのタイミングがあるため授業終了時間と作業の時間配分を考えて行う必要がある。これは自身の作品の時もそうである。

Art Vist
Art Vistの授業。6月15日は “La Badia Fiorentina”

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聖母マリアに捧げられたベネディクト会の修道院。978年にトスカーナ侯ウーゴの母が創立。14世紀にシトー風ゴシック様式に増築。1330年に鐘楼も再建。

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1432から1438年にベルナルド・ロセッティーノによってオレンジの中庭が作られ、「聖ベネディクトの生涯」のフレスコ画で装飾された。16世紀初めにジョヴァンニ・バッティスタ・パンドルフィーネの依頼により、柱廊玄関とそこに面してパンドルフィーネ家の礼拝堂が建設。1628年に現在のギリシャ十字型の教会が建設された。この時現在でも見られる素晴らしい木の天井装飾が施された。

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回廊の柱やドアにはこのパンドルフィーネ家のイルカとゆりの紋章がドアなどにある。

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また、柱の装飾にイルカを葉っぱに見立てた装飾も見られる。回廊には牛の蹄が三つあるようなGiugni家の紋章があるが、この一家もこの教会の大きな出資者である。教会内にはこの二大家のBernardo Giugni(Mino da Fiesole作)とGiannozzo Pandolfiniの墓もある。
入って左には、Filippino Lippiの“Apparizione della Madonna a S Bernardo” (聖ベネディクトゥスの前に現れる聖母マリア)がある。

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ボッティチェリの弟子であった為、手前天使などの顔の描き方などに影響が見られる。ベネディクト会戒律が絵の中の聖人の書物でマリアからの神秘的な幻視から霊感を得て書いている場面。右下は作品の依頼主ピエロ・フランチェスコ・デル・プリエーゼ。同じ左側を進むとGiorgio Vasariの“Assunzione della Madonna”がある。

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クーポラの天井壁画を描き、ルネッサンス期のアートディレクターであった彼の作品があることでも、ここの教会が重要な教会であったことがわかる。その下には、Mino da Fiesoleによる “Tomba del marchese Ugo” (トスカーナ侯ウーゴの墓)がある。内部にある赤と白のシマシマの紋章はこの人の紋章。
賑やかな街中にある教会だが、内部は非常に真摯的空気が漂っており、私の好きな教会の一つでもある。何度か訪れたことがあったが、知らないことも多く勉強になった。
ここの売店の顔につけるクリームがお気に入りで前から愛用している。今回は寝るときに耳たぶや鼻の下にちょっと付けて、アロマ効果とアレルギーなどによる鼻詰まりを少し軽くするというオイルを購入した。ここの教会で行われるミサのCDもおすすめ。

学校生活
Art Vistの授業。6月15日は “La Badia Fiorentina”

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ローマに用事で出掛けた。知人の紹介でフォロ・ロマーノ内の パラティーノの丘にある教会Convento San Bonaventura al Palatinoを訪問。

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ここで修道院長として、また現代アーティストとして活動する、Sidival Fila氏 の教会上階にあるアトリエを見学させていただいた。

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テキスタイルを使用した平面作品で、古い修道士の服や、歴史や物語のある布を使用して制作している。それらの材料でキリストの受難をシーンごとに展開して制作しているものや、人間の深みの部分を表現している。日常、祈りの現場で修道士として働きながらの作家活動であるため、ご本人の生活や、日々感じていることなど表現が作品と密接で内から来るリアリティを感じた。作品は一見美しく、優しさを感じるところもあるが、深く見ていくと怖さのようなものを感じ、訴える力のある強い作品である。
イタリア始めヨーロッパではルネッサンス期にもフラ・アンジェリコやフラ・バルトロメオなど修道士として修道院で絵を描くこともメインの仕事としていた著名な修道士画家が多くいる。その歴史が今もなお現代表現の場で続いていることを目の当たりにして感慨深く圧倒された。Sidival氏の作品はバチカン美術館にも収蔵されており、今私たちが500年前など昔の作品を大勢の人が求めて見に行っているように、この作品も何百年後まで人々が求め続け歴史に残る作品になるだろうということが素晴らしいし、すごいことと感じた。

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修道院では皆さんが作ってくださった昼食をご馳走になった。サラダなどは育てているものを積んできて食卓に並んでいた。畑からはコロッセオが一望できた。
日本ではお昼など仕事の合間にさっと済ませることが多かった私としては、ゆっくりと感謝を捧げながら会話をして過ごすことがとても贅沢に感じ、でもこれがあるべき姿であろうと感じた。
フォロロマーノの中で、いつもこの景色を見ながら生活していることが羨ましい。
ローマでは、カピトリーノ美術館、スパーダ絵画館、コルシーニ絵画館、テラステヴェレ教会、ローマ国立博物館、ヴィンコリ教会、マッジョレ教会、ミネルヴァ教会などを廻った。ミネルヴァ教会ではフラ・アンジェリコのお墓を参りに行った。私はフラ・アンジェリコ始め、好きな画家がたまたま修道士であるということが多い。その真摯的な精神で制作している何かを感じるからであろうか? 今回の訪問もとてもよかった。画集も頂いた。
(ここに連れて行ってくださった先生、暖かく迎えて下さったSidival氏や皆さんに感謝いたします)


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