Reporter: Eri Hosokawa

Oct. 22, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 70-Internship Course 2017-2018

フィエーゾレの聖フランチェスコ修道院を見学してきました。ゴシック様式の教会内部には、ルネサンス時代の作品が当時のまま残されています。 修道院には布教・民族博物館があり、修道院周辺で発掘されたエトルリア時代の遺物や聖遺物に加え、19世紀代後半から20世紀初頭にかけて布教活動に努めていた修道士たちが中国やエジプトなどから持ち帰った品々が展示されています。エジプトのミイラや中国の仏像や磁器などの美術品… [Read more]


Oct. 12, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 69-Internship Course 2017-2018

フィエーゾレのエトルリア時代の城壁と遺跡を見てまわるガイドツアーに参加してきました。まずは街の中心広場を出発し、地下にエトルリアの城壁の一部が残るフランチェスコ修道院まで登りました。その途中、近年地下ガレージが建設中に見つかった紀元前の遺跡や墓地などを通り、最も古い紀元前4世紀に作られた城壁の部分にたどり着きました。その高さは2.5-5メートルにもなり、間近で見ると一つ一つのブロックの大きさと積み… [Read more]


Sep. 21, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 68-Internship Course 2017-2018

フィレンツェ貯蓄銀行財団にて、国立修復研究所による修復が完了したフラ・アンジェリコの磔刑図が展示されています。来歴や修復処置を解説した冊子も配布されていて、作品の理解を深めることができます。 切り株の聖ニコロ信心会のために1430年ごろ制作され、17世紀初めに板を裁断するなどして作品は縮小されますが、この作品が礼拝堂にあった頃にその内部を描いた絵画などをもとに板を補い、最も制作当時に近い構造に復… [Read more]


Aug. 06, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 67-Internship Course 2017-2018

イタリア歴史邸宅協会の主催する年一度のイベントで、普段は非公開の私的な庭園や回廊が一般公開されていました。 フィレンツェ歴史地区内では約30か所が公開され、そのうち2つの私的庭園と十数か所のルネサンス時代の邸宅を見てまわりました。最も興味深かったのは、数年来見学したいと思っていたトッリジャーニ庭園です。10ヘクタールほどあるそのすべての敷地を高い壁に囲まれ、一族の象徴でもある高い塔を除いては、外… [Read more]


Jul. 10, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 66-Internship Course 2017-2018

知人の通うヨガスクールの主催で、自然保護区のヴァッロンブローザでのトレッキングに参加してきました。フィレンツェと比べると気温が低く、午前中は肌寒いくらいでした。 大きな修道院がありますが、現在では数人の修道士のみが暮らしているそうです。美しいフレスコ画で彩られた教会部分を見学し、それから6キロほどの急斜面の遊歩道を歩きました。何世紀にもわたって修道士たちが手入れをしてきたこの林には、62メートル… [Read more]


Jul. 02, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 65-Internship Course 2017-2018

先週末は美術館デーで、夜間の開放をはじめ様々なイベントが催されており、エトルリアとエジプトのコレクションで有名な国立考古学博物館を訪れました。美しく手入れされた庭園の敷地内には、実物のエトルリア墓地を移したものや模型があり、暗くひんやりとした内部には発見当時のままに棺が並べられ神秘的な雰囲気でした。実際にエトルリアの墓地を発掘された考古学の先生が当時の風習などを解説してくださり、大変勉強になりまし… [Read more]


Jun. 21, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 64-Internship Course 2017-2018

フィレンツェ中心街から少し離れた丘にある、サルヴィアティ邸を見学してきました。現在は欧州連合歴史文書館として膨大な量の文書を保管しており、普段は一般非公開となっていますが、年に数回だけガイドのついた見学会が行われます。 メディチ家と深いかかわりのあったサルヴィアティ家は、15世紀半ばに前身であった城塞を買い取ると、ミケロッツィ、続いてジュリアーノ・ダ・サンガッロなどのメディチ家に仕えていた芸術家… [Read more]


Jun. 15, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 63-Internship Course 2017-2018

欠損にグアッシュで周りの色にできるだけ近い色を作り、ベースカラーを施していきます。 先週の日曜、オルトラルノ地区のロマーナ通りが歩行者天国となり、様々なイベントが催されていました。ボボリ庭園の向かいにあるコルシ庭園は年一度の一般公開日とあり、多くの人でにぎわっていました。15世紀中ごろには修道院があり、その後メディチ家のコジモ一世の時代にシエナとの戦争に備… [Read more]


Apr. 06, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 62-Internship Course 2017-2018

プラートで開かれている、聖母の聖帯をテーマにした展覧会を見学してきました。この日は展覧会を企画・監修された美術史家の先生が作品について解説してくださる貴重な機会で、大変興味深く勉強になりました。聖帯は、聖母が昇天したのちそれを疑った使徒トマスに天から授けたものとされ、プラートには1141年にエルサレムからもたらされたといわれています。聖帯の授与の場面を表した12世紀から18世紀の貴重な作品を中心に… [Read more]


Mar. 30, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 61-Internship Course 2017-2018

引き続きハッチングの技法で補彩を進めていきます。欠損を丁寧に埋め、鑑賞の妨げとなる絵具のかすれや小さな損傷に対して度合いを見ながら介入していくと、ようやく各々のもの量感が戻ってきます。 クリスマスが近づき、イルミネーションなどで町が華やかに飾られています。週末は、受賞経験もある地域のコーラスによるクリスマス・ゴスペルコン… [Read more]


Mar. 05, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 60-Internship Course 2017-2018

引き続きハッチングの技法で補彩を進めていきます。欠損一つ一つはそれほど大きくありませんが、数が多いため長い時間がかかります。 週末は、観光協会の主催する文化イベント参加してきました。この回は、フィエーゾレにある普段非公開のフォンテ・ルチェンテ聖堂の見学と、聖堂までのガイド付きハイキングがセットになったものでした。狭い坂道の旧道を進む、要… [Read more]


Feb. 06, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 59-Internship Course 2017-2018

引き続き樹脂絵具での補彩を進めていきます。欠損だけでなく、点状に絵具が欠けている部分も丁寧に埋めていくと、途切れていた陰影が繋がり、徐々にイメージに量感がでてきます。 2年に一度フィレンツェで開かれている、国際アンティーク市のオープニングを見学させていただく機会がありました。イタリア国内だけでなくドイツやフランス、イギリ… [Read more]


Jan. 25, 2018 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 58-Internship Course 2017-2018

ベースカラーを入れた後ニスがけをし、樹脂絵具での補彩に入ります。修復した個所が識別できるよう、細い線を重ねていくハッチングの技法で進めていきます。肌色や背景の暗い色と、使われている色自体は少ないですが、同じ色の中でも陰影に合わせて微妙なトーンの変化を付けていきます。人物の鼻の先が欠けていましたが、描かれている他の人物を参考にしながら、自然な形を作っていきます。 … [Read more]


Dec. 01, 2017 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 57-Internship Course 2017-2018

前回充填剤を絵画層の高さまで削ったので、その上に絵画層の表面の凹凸を再現していきます。部屋をできるだけ暗くし、斜光で観察しながら亀裂などを繋げるように丁寧に作業していきます。 ワインで有名なキアンティ地区にある小さな集落、モンテフィオラッレを訪れました。13世紀から14世紀にかけて作られた城壁や塔は、その姿を残しつつも中は住居として使われて… [Read more]


Nov. 10, 2017 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 56-Internship Course 2017-2018

17世紀の祭壇画の修復例です。数十年前に修復が行われており、補彩が変色し欠損が目立っていました。まずは黄変したニスとともに変色した補彩を溶剤で取り除きます。過去の修復では欠損に色付きの充填剤が使われ、絵画表面の凹凸の細工も無く所々高さの足りないところもあり、一つ一つ見直す必要がありました。過去の充填剤を機械的にすべて取り除くことは作品にとっても負担となるため、その上に新しく作った充填剤を薄くのせ、… [Read more]


Oct. 06, 2017 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 55-Internship Course 2015-2017

充填整形が終わったので、グアッシュでベースカラーを入れていきます(写真左側)。その後ニス掛けをし、乾いたら樹脂絵具で補彩に入ります(写真右側)。背景の色は単純な茶色ではなく、わずかに水色がかっていたり赤みがかっていたりと微妙にトーンの変化があり、欠損のまわりの部分とうまく繋げるのがなかなか大変です。より精密さが求められる顔の部分は、オリジナルのもつ表情を損なわないよう、丁寧に作業を進めていきます。… [Read more]


Aug. 16, 2017 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 54-Internship Course 2015-2017

今回から聖人の肖像画の修復に入ります。工房に到着したときは木枠もなく、ぼろぼろに傷んでいましたが、裏打ちと絵具の固着強化、画面洗浄を経て、充填整形に入ります。充填剤を筆で欠損に詰め、まずは絵画層の高さまで平らに削ります。特に端の部分は損傷が激しく面積が広いのでなかなか大変です。その後、遮光でよく観察しながらキャンバスの糸目やマチエールを再現していきます。 … [Read more]


Aug. 03, 2017 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 53-Internship Course 2015-2017

小さなキャンバス画の修復に入ります。埃を落としただけで黒くかすんでいた画面に明るい色が戻ってきました。さらに肌色など、特にニスの黄変が目立つところを選択的に溶剤で洗浄します。人物の頭の周りに欠損が目立ちますが、かつてつけられていた銀製の飾りや宝石が引きちぎられて盗難にあったことによるようです。通常の工程通り石膏の詰め物をして削り、凹凸の細工をつけたらベースカラーを塗っていきます。その後ニス掛けし、… [Read more]


Jun. 16, 2017 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 52-Internship Course 2015-2017

ベースカラーを入れてニスがけまで終わったので、樹脂絵具での補彩に入ります。写真では、分かりやすいようにベースカラーを入れる前の段階と比較しています。損傷がひどいですが、この絵はある有名な16世紀の絵画を19世紀に模写した作品であるため、元の絵を参考にしながら再構築していくことができます。依頼主の希望により、いつも使っているハッチングの技法ではなく、美観をより重視した仕上げになっています。 … [Read more]


May. 26, 2017 | Posted in Reports, Restoration of Paintings , | Tags: , Reporter: Eri Hosokawa | Course: Restoration of Paintings
Painting Restoration 51-Internship Course 2015-2017

聖母子を描いた板絵の修復に入ります。まず、ひび割れて窪んでいるところに石膏の詰め物をし、平に削っていきます。 欠損は少ないですが絵具がかすれてなくなっている割合が多く、絵画層も薄く凹凸のない滑らかな画面のため難しいケースです。 絵具のない部分にグアッシュでベースカラーを塗っていきますが、どれだけ周りに近い色を作れるかが樹脂絵具での補彩の段階で重要になってきます。 … [Read more]




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