Reporter: Eri Hosokawa
May. 10, 2016 | Posted in
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Eri Hosokawa, Restoration of Paintings
Reporter: Eri Hosokawa | Course:
Restoration of Paintings
Painting Restoration 30-Internship Course 2015-17
引き続きベースカラーを入れていきます。樹脂絵具で行う補彩のことを考えながら、適切な色を作っていきます。特に大きな欠損では、必要に応じてグラデーションをつけます。
比較の写真はベースカラーを入れてニスをかけた後になります。前と後では色がずいぶん変わります。
フィレンツェ近郊のカステッロにあるメ… [Read more]
May. 09, 2016 | Posted in
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Eri Hosokawa, Restoration of Paintings
Reporter: Eri Hosokawa | Course:
Restoration of Paintings
Painting Restoration 29-Internship Course 2015-17
先週で欠損部分の充填・整形が終わったので、グアッシュで補彩の土台となるベースカラーを入れていきます。欠損の隅で何度も試し、最適な色ができたときに全体にのせていきます。
この作業の後ニスがけをしますが、前後ではかなり色が変わるため、専用の溶剤で画面を濡らしてニスがけ後の色味の変化を見ながら色を作ります。
同じ欠損内で色を変える必要が… [Read more]
May. 06, 2016 | Posted in
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Eri Hosokawa, Restoration of Paintings
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Restoration of Paintings
Painting Restoration 28-Internship Course 2015-17
先週に引き続き、削った石膏の表面に凹凸をつけていきます。1メートル以上の欠損ともなるとミリ単位の凹凸をつけていくのは容易ではありませんが、オリジナルの絵画層と石膏の部分の表面がよく繋がるよう、根気よく作業を続けていきます。
フィレンツェとシエナの間のキアンティの丘にある村、サン・ドナートを訪れました。… [Read more]
May. 05, 2016 | Posted in
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Restoration of Paintings
Painting Restoration 27-Internship Course 2015-17
以前洗浄をした絵画の修復作業に戻ります。写真はキャンバスを古い木枠から外した状態で、前回の修復から100年程経過しているため、裏面には埃や煤がたまりかなり汚れています。
専用の刃物で汚れを取り除き、新しい木枠に張り込みます。
I went back to the restoration work of the picture that I finished washing. This is… [Read more]
Apr. 25, 2016 | Posted in
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Restoration of Paintings
Painting Restoration 26-Internship Course 2015-17
ベース色入れとニスがけが終わったので、樹脂絵具での補彩に入ります。損傷が激しく絵画層がなくなってしまっていた箇所は、ベースを入れたことで幾分判読性が上がっているものの、まだ補彩による介入必要です。
画家の他の作品などを見て様式の勉強をしながら、欠けている部分を再構築していきます。
別な作品の補彩の一部を担当しました。
… [Read more]
Apr. 19, 2016 | Posted in
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Restoration of Paintings
Painting Restoration 25-Internship Course 2015-17
絵具層の接着力が弱くなり、わずかに浮き上がっている部分が十数箇所ありました。注射器で小さな穴をあけ、そこから少しずつ接着剤を注入していきます。指で軽く押さえた後、重りをのせて乾くまで丸一日置いておきます。
樹脂絵の具で補彩をしていきます。損傷の激しい部分は、断片をつなぎ合わせながら自然な形になるようイメージを取り戻していきます。周りとの繋が… [Read more]
Mar. 11, 2016 | Posted in
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Restoration of Paintings
Painting Restoration 24-Internship Course 2015-17
今週から新しい作品の修復に入ります。まず、欠損部分を石膏とにかわを混ぜたもので充填し、刃物で削り高さを合わせます。その後、斜光で作品のマチエールや凹凸をよく観察しながら、欠損の表面が周りとよく接続するように細工していきます。
充填整形が終わったら、その上に補彩のためのベースカラーをグアッシュで施していき、その後ニスを全体にニスをかけます… [Read more]
Mar. 01, 2016 | Posted in
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Painting Restoration 23-Internship Course 2015-17
先生と一緒にシエナに行ってきました。写真は撮れませんでしたが、シエナ国立絵画館の修復室を見学させて頂き、とても勉強になりました。フィレンツェでのシステムとは違い、専任のたった一人の修復士がほぼ全ての作業を担っていました。少しだけ街を見て帰りましたが、写真はカンポ広場とブランダの泉です。この泉の最も古い記録は1081年に見られ、この近くで聖女カテリナが生まれ育った場所としても… [Read more]
Feb. 23, 2016 | Posted in
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Painting Restoration 22-Internship Course 2015-17
先生が行った絵画洗浄のテストの様子です。洗浄用の溶剤を決めるため、洗浄力の異なる十数段階の試薬の混合液を小さな区画で試し、どの段階の混合液が適しているのかを見ます。その後さらに広い部分で試します。
キリストの肖像の補彩に入ります。今までの絵画よりずっと小さめの、家庭で鑑賞するための絵画です。欠損の他、顔と胸のかすれやしみ… [Read more]
Feb. 19, 2016 | Posted in
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Painting Restoration 21-Internship Course 2015-17
形を再構築しなければならない部分は、十分に残された部分を観察し違和感がないように仕上げなければなりません。特に顔の部分はわずかな陰影でも随分印象が変わってくるため、注意深く調整していきます。近付いて見ると補彩が識別できるよう、細い線を重ねていくハッチングの技法を用います。
こちらは紫外線ランプを照射したときの写真です。特… [Read more]
Feb. 16, 2016 | Posted in
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Painting Restoration 20-Internship Course 2015-17
明るい色の部分は特に正確さが求められ、色が濁らないように注意しながら作業していきます。桃色の布の部分は欠損こそ多くないものの、過去の修復で行われた変色した加筆と黒く見える亀裂や点、しみなどが混在し、全体のバランスをとるのが難しかったです。鑑賞距離まで一度遠ざかり、そこでどの部分が鑑賞の邪魔になっているのかを見て補彩するという作業を… [Read more]
Feb. 15, 2016 | Posted in
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Restoration of Paintings
Painting Restoration 19-Internship Course 2015-17
引き続き補彩を続けていきます。写真の甕を持った女性は画面洗浄の段階で取りきれなかった汚れが残りくすんだ印象でしたが、顔に走る亀裂やしみの部分に補彩を施すことで全体の統一性を取り戻していきます。カーテンの部分は欠落部分が広く、形を再構築せねばならないこともあって特に時間を要しました。
フィレンツェの伝統… [Read more]
Feb. 12, 2016 | Posted in
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Restoration of Paintings
Painting Restoration 18-Internship Course 2015-17
ベースカラーを施した欠損部分だけでなく、しみや黒い点などの鑑賞の妨げになるものに対しても介入していきます。全てに補彩をしてしまうとあたかも昨日完成した絵画のようになってしまうので、作品の歴史を常に考慮しつつ、全体のバランスを見ながら特に目立つ箇所のみに留めます。介入が過剰にならないよう、最新の注意を払って作業を進めていきます。
… [Read more]
Feb. 11, 2016 | Posted in
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Eri Hosokawa, Restoration of Paintings
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Restoration of Paintings
Painting Restoration 17-Internship Course 2015-17
今回から新しい絵画の修復に入ります。16世紀に人気を博した現存しない絵画を模した、同時代の貴重な作品です。
全体的に損傷が激しく、いたるところに欠損やかすれ、黒い点があります。ほとんどぼかしのない繊細な画面のため、少しの色の違いでも目立ってしまいます。できるかぎり細い線を重ねながら補彩をし、耳や髪の毛などの形が欠けている部分は、絵の… [Read more]
Jan. 15, 2016 | Posted in
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Painting Restoration 16-Internship Course 2015-17
冬休みを利用して、ヴィチェンツァとチッタデッラを訪れました。ヴィチェンツァはヴェネト州の中心部にあり、後期ルネサンスの建築家アンドレア・パッラーディオ(1508-80)が創りあげた理想の街として知られ、旧市街と彼の設計した郊外の邸宅群は世界遺産に登録されています。
街の建物は白を基調としており、フィレンツェとは随分違った雰囲気です。至るところに… [Read more]
Jan. 14, 2016 | Posted in
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Restoration of Paintings
Painting Restoration 15-Internship Course 2015-17
絵の中で最も損傷の激しい部分です。地塗りごと欠けてしまっている部分、絵の具層のみがかすれて無くなってしまっている部分とが混在し、1つずつ進めていかなければなりません。形が分かりにくくなっていた手と杯も、最低限の補彩をし判読性を取り戻します。
無数の欠損に根気よく補彩を施していきます。
作品の裏側は、… [Read more]
Jan. 14, 2016 | Posted in
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Painting Restoration 14-Internship Course 2015-17
引き続きベースカラーを施した欠損に細やかなハッチングで補彩をしていきます。天使の顔の部分は損傷が激しいですが、全体のややぼやけた雰囲気を損なわないよう、オリジナルをよく観察しながら自然な感じに仕上げます。
絵の具がかすれ薄黄色のしみのようになってしまっている部分を、丁寧にうめていきます。
… [Read more]
Dec. 25, 2015 | Posted in
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Restoration of Paintings
Painting Restoration 13-Internship Course 2015-17
前回までとはまた別の17世紀初頭の祭壇画の修復に入ります。欠損に石膏で充填整形をした後、グアッシュでベースカラーを施していきます。この段階で周りの色に近付けられる程、最終的に樹脂絵具で行う補彩にかかる時間が少なくなるため、とても重要な作業となります。その後ニスを全体にかけますが、前後では随分印象が変わります。
ニスがしっかり… [Read more]
Dec. 15, 2015 | Posted in
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Eri Hosokawa, Restoration of Paintings
Reporter: Eri Hosokawa | Course:
Restoration of Paintings
Painting Restoration 12-Internship Course 2015-17
まだらに色がはげてしまっている聖母の首の部分を補彩していきます。完全に絵具層が欠けてしまっている欠損に処置をする際とはまた別のテクニックが必要で、ミリ単位のずれも許されない精度が要求されます。
蜜のように流れる美しく描かれた髪に、引っ掻き傷のような黒い線がいくつもついていました。この絵画においてより視線を集める箇所でもあるため、同じ色で丁寧に黒い線を埋… [Read more]
Nov. 12, 2015 | Posted in
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Eri Hosokawa, Restoration of Paintings
Reporter: Eri Hosokawa | Course:
Restoration of Paintings
Painting Restoration 11-Internship Course 2015-17
1700年代初期の祭壇画の補彩に入ります。4メートル近い大作のため、足場や踏み台などを駆使したり床に寝そべって筆を握るなど、厳しい体勢で長時間にわたる作業が続くことも多いです。欠損部分に加え、キャンバスの糸目にそってグレース層がはげてしまっている箇所などを丁寧に見直し、補彩していきます。
マニエリスム期の画家… [Read more]
Painting Restoration 30-Internship Course 2015-17
引き続きベースカラーを入れていきます。樹脂絵具で行う補彩のことを考えながら、適切な色を作っていきます。特に大きな欠損では、必要に応じてグラデーションをつけます。 比較の写真はベースカラーを入れてニスをかけた後になります。前と後では色がずいぶん変わります。 フィレンツェ近郊のカステッロにあるメ… [Read more]
Painting Restoration 29-Internship Course 2015-17
先週で欠損部分の充填・整形が終わったので、グアッシュで補彩の土台となるベースカラーを入れていきます。欠損の隅で何度も試し、最適な色ができたときに全体にのせていきます。 この作業の後ニスがけをしますが、前後ではかなり色が変わるため、専用の溶剤で画面を濡らしてニスがけ後の色味の変化を見ながら色を作ります。 同じ欠損内で色を変える必要が… [Read more]
Painting Restoration 28-Internship Course 2015-17
先週に引き続き、削った石膏の表面に凹凸をつけていきます。1メートル以上の欠損ともなるとミリ単位の凹凸をつけていくのは容易ではありませんが、オリジナルの絵画層と石膏の部分の表面がよく繋がるよう、根気よく作業を続けていきます。 フィレンツェとシエナの間のキアンティの丘にある村、サン・ドナートを訪れました。… [Read more]
Painting Restoration 27-Internship Course 2015-17
以前洗浄をした絵画の修復作業に戻ります。写真はキャンバスを古い木枠から外した状態で、前回の修復から100年程経過しているため、裏面には埃や煤がたまりかなり汚れています。 専用の刃物で汚れを取り除き、新しい木枠に張り込みます。 I went back to the restoration work of the picture that I finished washing. This is… [Read more]
Painting Restoration 26-Internship Course 2015-17
ベース色入れとニスがけが終わったので、樹脂絵具での補彩に入ります。損傷が激しく絵画層がなくなってしまっていた箇所は、ベースを入れたことで幾分判読性が上がっているものの、まだ補彩による介入必要です。 画家の他の作品などを見て様式の勉強をしながら、欠けている部分を再構築していきます。 別な作品の補彩の一部を担当しました。 … [Read more]
Painting Restoration 25-Internship Course 2015-17
絵具層の接着力が弱くなり、わずかに浮き上がっている部分が十数箇所ありました。注射器で小さな穴をあけ、そこから少しずつ接着剤を注入していきます。指で軽く押さえた後、重りをのせて乾くまで丸一日置いておきます。 樹脂絵の具で補彩をしていきます。損傷の激しい部分は、断片をつなぎ合わせながら自然な形になるようイメージを取り戻していきます。周りとの繋が… [Read more]
Painting Restoration 24-Internship Course 2015-17
今週から新しい作品の修復に入ります。まず、欠損部分を石膏とにかわを混ぜたもので充填し、刃物で削り高さを合わせます。その後、斜光で作品のマチエールや凹凸をよく観察しながら、欠損の表面が周りとよく接続するように細工していきます。 充填整形が終わったら、その上に補彩のためのベースカラーをグアッシュで施していき、その後ニスを全体にニスをかけます… [Read more]
Painting Restoration 23-Internship Course 2015-17
先生と一緒にシエナに行ってきました。写真は撮れませんでしたが、シエナ国立絵画館の修復室を見学させて頂き、とても勉強になりました。フィレンツェでのシステムとは違い、専任のたった一人の修復士がほぼ全ての作業を担っていました。少しだけ街を見て帰りましたが、写真はカンポ広場とブランダの泉です。この泉の最も古い記録は1081年に見られ、この近くで聖女カテリナが生まれ育った場所としても… [Read more]
Painting Restoration 22-Internship Course 2015-17
先生が行った絵画洗浄のテストの様子です。洗浄用の溶剤を決めるため、洗浄力の異なる十数段階の試薬の混合液を小さな区画で試し、どの段階の混合液が適しているのかを見ます。その後さらに広い部分で試します。 キリストの肖像の補彩に入ります。今までの絵画よりずっと小さめの、家庭で鑑賞するための絵画です。欠損の他、顔と胸のかすれやしみ… [Read more]
Painting Restoration 21-Internship Course 2015-17
形を再構築しなければならない部分は、十分に残された部分を観察し違和感がないように仕上げなければなりません。特に顔の部分はわずかな陰影でも随分印象が変わってくるため、注意深く調整していきます。近付いて見ると補彩が識別できるよう、細い線を重ねていくハッチングの技法を用います。 こちらは紫外線ランプを照射したときの写真です。特… [Read more]
Painting Restoration 20-Internship Course 2015-17
明るい色の部分は特に正確さが求められ、色が濁らないように注意しながら作業していきます。桃色の布の部分は欠損こそ多くないものの、過去の修復で行われた変色した加筆と黒く見える亀裂や点、しみなどが混在し、全体のバランスをとるのが難しかったです。鑑賞距離まで一度遠ざかり、そこでどの部分が鑑賞の邪魔になっているのかを見て補彩するという作業を… [Read more]
Painting Restoration 19-Internship Course 2015-17
引き続き補彩を続けていきます。写真の甕を持った女性は画面洗浄の段階で取りきれなかった汚れが残りくすんだ印象でしたが、顔に走る亀裂やしみの部分に補彩を施すことで全体の統一性を取り戻していきます。カーテンの部分は欠落部分が広く、形を再構築せねばならないこともあって特に時間を要しました。 フィレンツェの伝統… [Read more]
Painting Restoration 18-Internship Course 2015-17
ベースカラーを施した欠損部分だけでなく、しみや黒い点などの鑑賞の妨げになるものに対しても介入していきます。全てに補彩をしてしまうとあたかも昨日完成した絵画のようになってしまうので、作品の歴史を常に考慮しつつ、全体のバランスを見ながら特に目立つ箇所のみに留めます。介入が過剰にならないよう、最新の注意を払って作業を進めていきます。 … [Read more]
Painting Restoration 17-Internship Course 2015-17
今回から新しい絵画の修復に入ります。16世紀に人気を博した現存しない絵画を模した、同時代の貴重な作品です。 全体的に損傷が激しく、いたるところに欠損やかすれ、黒い点があります。ほとんどぼかしのない繊細な画面のため、少しの色の違いでも目立ってしまいます。できるかぎり細い線を重ねながら補彩をし、耳や髪の毛などの形が欠けている部分は、絵の… [Read more]
Painting Restoration 16-Internship Course 2015-17
冬休みを利用して、ヴィチェンツァとチッタデッラを訪れました。ヴィチェンツァはヴェネト州の中心部にあり、後期ルネサンスの建築家アンドレア・パッラーディオ(1508-80)が創りあげた理想の街として知られ、旧市街と彼の設計した郊外の邸宅群は世界遺産に登録されています。 街の建物は白を基調としており、フィレンツェとは随分違った雰囲気です。至るところに… [Read more]
Painting Restoration 15-Internship Course 2015-17
絵の中で最も損傷の激しい部分です。地塗りごと欠けてしまっている部分、絵の具層のみがかすれて無くなってしまっている部分とが混在し、1つずつ進めていかなければなりません。形が分かりにくくなっていた手と杯も、最低限の補彩をし判読性を取り戻します。 無数の欠損に根気よく補彩を施していきます。 作品の裏側は、… [Read more]
Painting Restoration 14-Internship Course 2015-17
引き続きベースカラーを施した欠損に細やかなハッチングで補彩をしていきます。天使の顔の部分は損傷が激しいですが、全体のややぼやけた雰囲気を損なわないよう、オリジナルをよく観察しながら自然な感じに仕上げます。 絵の具がかすれ薄黄色のしみのようになってしまっている部分を、丁寧にうめていきます。 … [Read more]
Painting Restoration 13-Internship Course 2015-17
前回までとはまた別の17世紀初頭の祭壇画の修復に入ります。欠損に石膏で充填整形をした後、グアッシュでベースカラーを施していきます。この段階で周りの色に近付けられる程、最終的に樹脂絵具で行う補彩にかかる時間が少なくなるため、とても重要な作業となります。その後ニスを全体にかけますが、前後では随分印象が変わります。 ニスがしっかり… [Read more]
Painting Restoration 12-Internship Course 2015-17
まだらに色がはげてしまっている聖母の首の部分を補彩していきます。完全に絵具層が欠けてしまっている欠損に処置をする際とはまた別のテクニックが必要で、ミリ単位のずれも許されない精度が要求されます。 蜜のように流れる美しく描かれた髪に、引っ掻き傷のような黒い線がいくつもついていました。この絵画においてより視線を集める箇所でもあるため、同じ色で丁寧に黒い線を埋… [Read more]
Painting Restoration 11-Internship Course 2015-17
1700年代初期の祭壇画の補彩に入ります。4メートル近い大作のため、足場や踏み台などを駆使したり床に寝そべって筆を握るなど、厳しい体勢で長時間にわたる作業が続くことも多いです。欠損部分に加え、キャンバスの糸目にそってグレース層がはげてしまっている箇所などを丁寧に見直し、補彩していきます。 マニエリスム期の画家… [Read more]