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Hiromi YUASA
Reporter
Hiromi YUASA

Nationality: Japan
Course: Painting and Drawing
Program: Master Course
Period: Jan. 15, 2018 - Jul. 27, 2018

イタリアの祭壇画で使用されている黄金背景テンペラを学ぶためにフィレンツェに来ました。フィレンツェは街自体が美術館で、またルネッサンス発祥の地でもあるため、学ぶべき、見るべきオリジナルの作品がすぐ近くにあるので本当に素晴らしいです。こちらに来て4ヶ月目になりますが、たくさんの美術館や教会に行きました。またフィレンツェはイタリアの中央に位置しているため、違う都市へのアクセスもよく、すでにヴェネチア、シエナ、ルッカなど様々な都市に美術品を見に行きました。フェレンツェは職人の街で、古くからの手仕事を大切にしている所が大好きです。
日本ではアニミズムをテーマに作品を描いており、今回学ぶ技法を自分の作品に生かしたいと思っています。

Jun. 21, 2019 | Posted in Reports, Painting and Drawing , | Tags:, Reporter: Hiromi YUASA | Course: Painting and Drawing

Painting-Drawing 23-Master Course 2018 (Student2)

授業1 Pittura
今週もGantile da Fabriano部分模写はお休みして先週に引き続き男性モデルのデッサン。2枚制作。モデル使用のデッサン最終日。

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授業2 Restauro

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【技法標本の制作】
Doratura a Guazzoやboloを活用した金箔を使用した様々な技法の標本を制作。講義で聞くだけでなく、具体的にどのような感じになるか、使用材料、調合などを学ぶ。[Bulinatura] [Graffito] [Pastiglia] [Prezzemolo]を行った。Prezzemoloは 10~12時間の待ち時間の後すぐに作業が必要なので前日の夜11時にも宿題でMissione a olioで描画した。

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【古めかしの様々な方法の標本制作】
個人の表現作品などでは、箔をどのように古めかしするかは個人の自由である。しかし修復の現場では、修復しているものの年代に合わせた古めかしや、銀や、真鍮など箔の種類の違いもある。13世紀、15世紀、17世紀風の古めかしなどいろいろバリエーションが必要になってくる現場。私は個人の表現のためだが、この方法を学びにも来ているので、たくさんの方法を教えてもらえて本当に良かった。標本作りは帰国して自分の制作の手助けとなる箔の仕上げと色見本であるので、今回作ったものは日本の自分のアトリエに常に置いておく一生使える標本となった。

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【Argento Meccato】
修復の現場から17世紀に銀をVerniceによって金に見せる方法を学ぶ。そのVerniceの調合材料、方法を学んだ。日本で私は、漆を使って行っていたので、似ていると感じた。ただ、イタリアで教えてもらったほうが、色を調整できるので優れている。これも修復するもののオリジナルの色に近づける必要性から調合できるように発展したと思われる。

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【Reliquiariの金箔作品の修復】
聖遺物箱[Reliquiari]の修復の続き。先週金箔を貼って、磨いた部分がオリジナルの金箔と境目が馴染むように“ぼかし”の処置を行った。大理石の粉を綿棒に付けて擦ります。これで、Reliquiariの修復は終了。

Art Vist
Art Vistの授業。6月29日は “San Salvatore Church” (Chiesa di San Salvatore al Vescovo)
ドゥオーモ広場に入口は面しており、建物の中に教会が入り込んでいるため一見、教会と分からない。いつもよく通る所なのに全く気が付かなかった。過去に教会のファサードであった所は“Piazza dell’Olio” に面していて、建物の一部となって残されている。(07)今はここからの入場はできない。通常ドアは封鎖されている。「元々教会?不思議な残し方だなぁ?中はどうなっているのだろう?」と思っていたので今回、訪問出来てスッキリした。外観だけ残していると思ったので、中に教会があると思わなかった。教会の建設は9世紀頃に遡るが、1221年ごろアルフォルノ・ディ・カンビオ(Arnolfo di Cambio)によって再建。ロマネスク様式のファサード。サン・ミニアートやサンタ・マリア・ノヴェッラ教会と同じく古くからのオリジナルの大理石を使用している貴重なものらしい。1722年から1740年にかけてフィレンツェの大司教であったGiuseppe Maria Martelli (Firenze, 1678 – Firenze, 1741)がPalazzo Arcivescovile の隣であったこの教会の主に内部を建築家Bernardo Ciuriniのプロジェクトに基づいて再建して、現在見られるフレスコ画などが描かれた。(06) そのため教会内にはマルテッリ家のライオンが横向きの家紋がある。柱はフィレンツェ近郊でよく採れ、よく使われたグレーのピエトラ・セレーナでその上にだまし絵の大理石が描かれている。主祭壇のフレスコは“羊飼いの礼拝”でイタリア人ロココ様式の画家、ジアンドニコ・フェレッティ(Giandomenico Ferretti)作。絵画の中央辺りには依頼主のMartelli家の女性がモデルとされる天使がいる。イタリア人からかローマ遺跡のような背景など16世紀のヤコポ・バッサーノの絵にも似ており、後期ルネッサンスからマニエリズム辺りと、フランスのロココ絵画の両方の影響を見て取れる。先生に言われるまで気がつかなかったが、ここの教会は他の教会と違って、床にお墓がない。
ちいさな教会だがとても品の良い教会。通常はもしかしたら予約をしないと入れないのかもしれない。または開館時間が短い? いずれにせよ、一人だと絶対に気がつかず行くことはできなかったので、とても良かった。

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Art Stage
月一の学外演習Art Stageの授業。6月30日(土)は フィレンツェから電車で約30分ほどのプラートにある“Museo di Tessuto”(織物博物館)、学芸員の方の解説で周った。
テキスタイルは分野外であるが、織物の柄のデザインが素晴らしかった。絵画でも参考になる。展示ではルネッサンス時代などの古い絵画のパネル展示も同時にあって、絵の中の洋服は実際こんな肌触りでこんな感じであったということがわかる。ここの博物館はプラートのファッション学校の付属ということもあって、展示方法が触って確かめるとか、生地の種類とか、過去から現代アートまでの作品など、工夫が見られて良かった。羊毛について、羊の毛の部位とか、麻、コットン、合成繊維、染めについてもわかりやすく、且つオシャレに展示してあった。麻やコットンは油絵やテンペラの支持体に使用するものなので興味深かった。シルクロードで知られるように中国は昔から繊維業は強いらしく、その文様始め影響を受けているらしい。染めの説明の展示では、サボテンにつく虫、コチニールなど絵具と同じ原料もあり、原材料も展示してあったので面白かった。

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